冬も青々とした葉を茂らせる常緑樹の不変性と、その樹齢の長さから長寿をあらわす植物として古来より大切にされていた松のモチーフ。
端正な中に勇壮な力強さを感じるその樹形の美しさはもとより、特徴的な葉の形も文様として好まれ、また実の松かさは子孫繁栄の象徴としても愛され、様々なデザインで目を楽しませてくれます。
四季を通して楽しんでいただける通年文様です。
樹形の美しさを堪能して
こんもりと茂る松の枝葉を装飾化したデザインが、古典的な松文様の典型。
四季の草花文様にも欠かせない、典雅なモチーフです。
松の枝葉を極限まで抽象化した光琳松模様の振り袖。
光琳模様ならではのまろやかな曲線がはろばろとした松林の風景を思い起こさせる古典的な情趣の中にもアートでモダンな遊び心が光るデザインです。
美しく抽象化された松文様の袋帯。
波のような青と緑の文様に、波打つような松文様が重ねられ、浜辺の風景を思わせるはろばろとした風情を感じさせてくれます。
水墨画のような抑えた色使いが幽幻な詩情を誘う松の枝葉文様は羽織のもの。
ほどよく写実的でいて装飾性に優れた美しいデザインです。
優美に枝を伸ばす松が写実的に刺繍された絽の夏帯。
枝ぶりの美しさ、松葉の凛とした風情、ころんと愛らしい松ぼっくりなど松の美しさを見事に表現した逸品です。
アートに意匠化された松の枝葉に、ふっくらとした刺繍で浮かび上がる葉と実が写実的な詩情を添える凝ったデザインは付下げ着物のもの。
葉と直線と樹形の曲線、松ぼっくりの円が形作る複雑でいて均整のとれた樹形は、アートでモダンなアレンジとも相性が良く、さまざまなパターンで文様化されています。
松の葉の形の魅力を楽しんで
松に扇の吉祥文様が風雅な詩情をさそう名古屋帯。
勢い良く放射状に広がる松の葉は端正な気品の中にも躍動感を感じさせてくれます。
まるで孔雀の羽のように優美にデザイン化された松の葉はアンティークの羽織のもの。
梅文様と重ねられた吉祥の古典柄ながらびっくりするほどモダンなデザインになっています。
ふわりと揺れる水草のような、鳥の羽のような幻想的でやわらかなタッチで染め出された付下げ着物の松葉文様。
まるで絵本の世界のような幻想的でノスタルジックな風情を楽しんでいただけます。
日本にわかれた形も特徴的な松葉の一葉も文様として愛される形です。
銀杏やクヌギなど様々な葉とともに描かれた落ち葉文様が風情をさそう袷着物。
鶴と松葉を組み合わせた吉祥重ねの注染レトロ浴衣。
松葉をくわえて飛ぶ鶴の文様もよく見られる典型的な吉祥文様です。
こんなデザインも松葉
花火のように広がる放射状の円の中央に丸が三つついたモチーフ、これも松葉です。
松の枝葉をちょうど、中央から見た形。
獅子の巻き毛に似ているからか、獅子文様と一緒に用いられることが多い気がします。
青海波文様の中によく見ると松葉が！
松葉の放射状の形と青海波の曲線が優美にマッチした松青海波は優れた装飾性を楽しめる完成されたデザイン。
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